― サバイバル生活に欠かせない“水インフラ”を自分でつくる ―
電気が止まり、物流も消え、誰も助けに来ない。
イオンモールを拠点としたサバイバル生活において、最初に確保すべきは「食料」や「電力」だろう。
だが、長期的に最も深刻になるのは“水”の問題だ。
ペットボトルはいつか尽き、水道も電力網の停止とともに沈黙する。
そこで必要になるのが、「自分の手で掘る井戸」である。
なぜ“井戸”が必要なのか?
水は人間の生命活動の中心にある。
飲料水、調理水、風呂、トイレ、洗濯、農業、動物飼育、何をするにも水が要る。
しかも、災害や文明崩壊の状況下では、
- 水道:電力がないと数日で断水
- 雨水:不安定かつ汚染リスクあり
- ペットボトル水:貴重品であり有限資源
という現実が待っている。
結論:“水を自給する手段”=井戸がなければ、いずれ詰む。
人力でも掘れる!「鞘管工法」とは?
家庭レベルで実行可能な井戸掘りとして注目されているのが、
**「鞘管工法(さやかんこうほう)」**と呼ばれる方法だ。
▼ 鞘管工法の特徴
- 地中にパイプ(塩ビ管)を差し込んでいくシンプルな構造
- 手掘り or ポンプで泥水を抜きながら進めていく
- 地下3〜10m程度の浅井戸向き
- 比較的安価に道具が揃う(ホームセンターでも可能)
- 水脈に当たれば、継続的に清水を得ることも可能
どこに掘る? 井戸掘りの「場所選び」
まず最初にするのは、掘削場所の選定だ。
適切な場所でなければ、せっかく掘っても水は出ない。
✅ 良い場所の条件
- 少し低い地形(水が集まりやすい)
- 周囲が砂・粘土質の柔らかい地盤
- 昔から田んぼや水路がある場所
- できれば雑草が生えている=湿気がある場所
❌ 避けるべき場所
- トイレ・家畜小屋・ゴミ置き場のそば(汚染源)
- アスファルト・コンクリートの直上
- 化学薬品や油脂の残る工業地跡
道具を集めよう:必要な資材一覧
イオンモールや近隣のホームセンターから確保しておきたい井戸掘り資材は以下の通り:
用途 | 必要なもの |
---|---|
掘削用 | スコップ、塩ビパイプ(VP20・25)、ハンマー、鉄棒、ロープ、泥上げバケツ |
揚水用 | 手押しポンプ or ロープ+バケツ、またはソーラーポンプ |
井戸管用 | 塩ビ管スリット加工済み or メッシュ付き井戸管 |
その他 | バケツ、ポリタンク、ビニールシート(泥の仮置き)、水質検査キット |
💡 地中に入れるパイプ(井戸管)は、1m単位で切って接着していくのが一般的
次回予告(後編):いよいよ掘削開始!
前編では、井戸掘りの必要性と準備段階までを紹介した。
次回の後編では、
- 実際の掘削作業の手順
- 地下水に当たったときの揚水テスト
- 水質確認と浄化方法
- トラブル対策(崩落・濁水・ポンプ不調)
など、実践的かつ生き延びるための水の運用術を詳しく掘り下げていく。
📝 まとめ:水を掘るという「覚悟」
文明が崩壊したあとも、水を得た者は生き延びる。
井戸掘りは地味で泥臭い作業だが、それは自分の未来と命を掘り進めることに他ならない。
あなたのその一掘りが、明日の生活を支える“生命線”になる。