― 発電の種類別停止予測と、個人で電力を確保する方法 ―
「もし明日、すべての人間が消えたら――」
家には明かりが灯り、冷蔵庫もテレビも動いている。
だが、その文明の光は、果たしていつまで続くのか?
この記事では、「人類が突然いなくなったら電気はどれくらいもつのか?」という問いを、発電所の仕組み別に考察し、さらに個人レベルでの電力確保手段まで掘り下げてみます。
⚙️ そもそも電気はどう生まれているのか?
日本を例に、2020年代の発電比率(参考):
発電方式 | シェア(概算) | 主な設備 |
---|---|---|
火力発電(石炭・LNG・石油) | 約75% | 大規模発電所 |
再生可能エネルギー(水力・太陽光・風力) | 約20% | ダム、ソーラーパネル、風力タービン |
原子力発電 | 数%(稼働制限中) | 特定の原発施設のみ |
その他(地熱など) | ごく少量 | 山岳地帯の地熱発電など |
🔌 人類消失後、電気はどれくらいで止まるのか?
🟥 火力発電所:数時間〜数日で停止
- 原料の投入・制御・排熱が全て自動化されていない限り人間が必要
- 無人状態では炉の制御が不能になり、安全装置が自動停止
- 電源停止による送電網トラブルや火災リスクもあり、早期ダウン濃厚
⏱ 停止までの目安:1〜3日
🟧 原子力発電所:強制冷却後、段階的に停止
- 人間がいなくなると自動的に「緊急停止(SCRAM)」
- その後、**冷却装置・バックアップ電源(ディーゼル・バッテリー)**が作動
- だが数日〜数週間で冷却不能 → 最悪メルトダウンの恐れ
⏱ 安全装置作動は1週間程度、だが長期的にはリスク高
🟨 水力発電:数週間〜数か月稼働の可能性
- ダム式の水力発電は基本自動運転に近い
- 水が貯まれば勝手に回る仕組みで、メンテなしでも長期間稼働可能
- ただしゴミ詰まり・機械劣化・洪水制御不能などで徐々に停止
⏱ 停止目安:1か月〜数か月
🟩 太陽光発電:天候次第で半永久的に稼働(昼間のみ)
- ソーラーパネルは完全無人でも発電可能
- バッテリー(蓄電池)があれば夜間利用も可
- パネル表面の汚れ・落葉・雪などで徐々に出力低下
⏱ 昼間発電は数年持つ可能性あり(蓄電はバッテリー次第)
🟦 風力発電:自動運転するがメンテ不要ではない
- 風が吹けば回り続けるが、機械的摩耗・氷結・雷などで損傷の可能性
- 羽根のバランス崩壊、ブレーカー作動などで停止
⏱ 数週間〜数か月で停止する可能性
📉 総合タイムライン:人類が消えてからの停電予測
時間経過 | 電力状況 |
---|---|
0〜12時間 | ほぼすべての電力インフラが生きている |
1〜3日 | 火力発電の多くが停止、都市部は停電が広がる |
1週間 | 原発が冷却フェーズに入り、送電系統が不安定化 |
1か月 | 一部の水力・風力・太陽光のみが残る状態 |
3か月〜 | 実質的に地球上の人工送電網は機能停止状態に |
🔋 個人で電力を確保するには?現実的な選択肢
✅ 1. ソーラーパネル+ポータブル電源
- 小型パネルでもUSB給電やLED照明は可能
- 大型ポータブルバッテリーがあればPC・炊飯器も動かせる
- イオン内でもソーラーパネル売場や車載設備を探すべき
✅ 2. 車のバッテリーを利用(12V DC出力)
- インバーターがあれば100V家電も使用可能
- 燃料の在庫があれば1〜2週間の電源確保に使える
✅ 3. 自転車発電(人力発電機)
- DIY可能だが、1人ではスマホ1回分に30分以上必要
- 精神的な充実や運動にもなるので“儀式”として導入もアリ
✅ 4. 風力/水力の自作は現実的ではない
- 必要な工作技術・部材が高く、耐久性が低い
💡 まとめ:電気は“最初の数日”が勝負!
フェーズ | やるべきこと |
---|---|
0〜3日 | 充電、冷凍庫整理、発電機・蓄電池の確保 |
4〜7日 | 火力・原発停止に備え、生活を昼型へシフト |
1か月後〜 | 電気に頼らない生活スタイルを完成させる |
📝 最後に
電気がある今は当たり前でも、人類がいなくなった世界では発電所は誰も面倒を見てくれません。
火は消え、風は止まり、太陽だけがわずかに電力をもたらす――
だからこそ、「電気に頼らずに生きる術」と「自力で灯す知恵」が必要なのです。