自動運転で車の所有は変わる?――2019年の未来予想を条件から考える

2019年、私は自動運転が広まったら、車は自宅に置くものから、必要なときに呼ぶものへ変わるのではないかと考えていました。関心があったのは運転の自動化だけでなく、移動時間、所有、事故の責任がどう変わるかでした。

以下は当時の仮説を整理した考察です。普及時期や収益の予測ではなく、現在の運転支援機能で監視をやめてよいという説明でもありません。

「自動運転なら何でもできる」を前提にしない

国土交通省のレベル分けでは、レベル2以下の運転支援と、レベル3以上の自動運転で、運転の主体や対応が異なります。レベル3も特定条件での機能であり、作動継続が難しくなったときの介入要求などへの対応が必要です。機能名だけで「車内で自由に眠れる」と解釈してはいけません。

資料:国土交通省「車両安全対策を取り巻く状況」57ページ・自動運転のレベル分け。これは機能の区別を確認するための過去の資料で、現在の普及状況を示すものではありません。実際の利用では車両・サービスの説明書と最新の利用条件に従ってください。

運転したい時間と、移動だけしたい時間

当時の私が疑問に思ったのは、車を運転するすべての時間を、運転そのものの楽しみとして過ごしているのかということでした。通勤や買い物と、休日のドライブでは、車に求める役割が違うのではないでしょうか。

移動だけを済ませたいなら、待ち時間や料金が納得できるサービスには魅力があります。一方、自分の車をすぐ使えること、荷物を置いておけること、好みの車内空間を持てることは、呼ぶサービスだけでは同じように満たせません。運転が自動化されることから、所有の価値がすべて消えるとは導けないのです。

個人所有・貸切・相乗りを比べる

形態考えられる利点成立条件・負担
個人所有使う時間や車内の管理を自分で決めやすい購入・保管・維持の負担、使わない時間
呼び出す貸切車両車両を持たずに移動できる供給台数、待ち時間、料金、利用できる地域
相乗り型一度に複数人を運べる乗降地点や経路の調整、他人と使う空間

これは現在の商品比較ではなく、事業形態を考えるための整理です。2019年の私は小型バスのような相乗りを想像しましたが、人口が少ない地域と通勤客が集中する地域で、同じ仕組みが適するとは限りません。

平均稼働率だけでは必要台数を計算できない

仮に一台を一日30分使うなら、24時間に対する割合は約2.1%です。しかし、この数字から50人で一台を共有できるとは言えません。50人が同じ朝の30分に使いたければ、需要は重なります。

必要台数を考えるには、利用の多い時間帯、迎えに行く距離、乗降や清掃、充電・整備の時間も見なければなりません。「駐車時間が長いので共有の余地がある」という問いと、「何台に減らせる」という計算の間には、まだ埋めるべき条件があります。

車を所有する人と、仕事を引き受ける人

別の記事で考えていた「車は誰のものか」という問いも、ここにつながります。車両に資金を出す人、運行を管理する人、整備する人、利用者への対応をする人は、別々かもしれません。運転だけが自動化されても、それ以外の役割がなくなるわけではありません。

事故が起きたときに社会がどう受け止めるかには、当時から強い関心がありました。ただし、低コストだから利用をやめる選択肢がない、プログラムを直せば同じ事故は起きない、と決めつけることはできません。原因の調査、再発防止、利用者への説明を誰が担うのかまで考える必要があります。個別事故の法的責任は、ここでは判断しません。

未来予想の面白さは、条件を見つけること

2019年の想像の中心には、移動をサービスとして使うようになったら、車と社会の関係が変わるのではないかという問いがありました。特定のメーカーが勝つ、車や仕事が必ず激減するという結論より、所有の利点と共有の条件を分けることで、未来像を具体的に検討できます。

この文章は未来の一形態を考えるもので、運転操作や投資を勧めるものではありません。モノがあるだけでは維持できない、という別の思考実験は一人きりのモールと「維持する仕事」でも扱っています。

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